2009年オフにFA移籍しながらなかなか出場機会に恵まれず、
昨秋に腰の手術をして再起をかけていた藤本。
今季初スタメンでの出場機会は、本来の遊撃手ではなく三塁手としてだったが、9回に巡ってきた第4打席は2死2塁1塁のチャンス。
広島側からすれば、あと1アウトを取れば同点で9回裏の攻撃に期待したかったところだったが、藤本がそうはさせない。
積極的に初球から打った一撃は、右翼ポール際に吸い込まれていった。
ヤクルトに移籍後初の阪神戦となった2010年3月17日のオープン戦では、代打で出場し「代打・藤本」のコールに阪神ファンが大歓声を上げた。
以降も2010年の阪神戦のヤクルト・藤本の打席ではしばしば阪神ファンから声援が送られる光景が見られ、移籍していこうが1プロ野球選手として応援したい気持ちは、先日・古巣との対戦を果たした
西武・江草にしても同じこと。
そういえば、6月5日のヤクルト対楽天の交流戦の試合開始前。
その3日前に今季一軍初昇格したばかりのベテランに対し、楽天・星野監督が藤本にかけた言葉は、「困ったらうちに来い」。
藤本本人は「楽天入りはもう少し待ってください」と断ったそうだが、
阪神時代、ともに戦った縁もあって、星野監督ならではのゲキの飛ばし方に、選手冥利に尽きる思いを感じたことだろう。
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